内村鑑三は1894年(明治27)年に「後世への最大遺物」と題する講演を行い、この講演原稿は1897年に京都便利堂から出版された。『後世への最大遺物』で内村は四つの生き方を示している。すなわち、1.お金を社会に遺す、2.事業を社会に遺す、3.思想を後世に遺す、4.「勇ましい高尚なる生涯」を生きる、である。特に4番目の「勇ましい高尚なる生涯」を生きる生き方は、このための何の門地、学歴、才能や資金もいらず、他者のために奉仕することを通して神に仕える生き方を示している。こうすることにより、私たちの存在と働きが、いくらかなりとも永遠者のご計画に仕えることができるとしたら、私たちも永遠にあずかる栄誉を与えられることになるからである。一方、坂田祐は1911年に内村鑑三の門下生となることが許されたが、その時点では内村の著書を全て読破しており、中でも『聖書之研究』誌は、彼の生涯に甚大なる感化を与えた。坂田祐は関東学院の学生達に「人になれ 奉仕せよ」と説き、他者を蹴落としてまで栄達を求めなくてもよい、日本の社会と教育の姿勢に迎合しなくてもよいと訓辞した。内村の掲げた「高尚な生涯」「真面目な生涯」に学生たちの目を向けさせたのである。内村も、坂田も、生涯をかけて、伝道に、教育に、文筆に、そして自分自身の生きざまを通して、「後世への最大遺物」を遺そうとしたのである。本論は『後世への最大遺物』への矢内原忠雄や鈴木範久の理解も援用して、関東学院の校訓との思想的結びつきを解明した
わが国の高等教育機関は,戦前に種別化され,機能分化していたが,戦後の新制大学の設置によって制度的に画一化された。しかし,前身校に由来する予算や教員数に実態としての格差があり,大学院の設置はかなり限定さ...
本稿では、北海道大学附属図書館蔵伝貞傳手記『大臼山御由来《慈覺大師御難行記》』(以下、『御由来』)を紹介する。 「大臼山」とは、伊達市にある大臼山道場院善光寺(以下、ウス善光寺)をさす。本資料は一般に...
「源氏後集余情」は、柳亭種彦(1783~1842)作、歌川国貞(三代豊国、1786~1869)画の『偐紫田舎源氏』(1829~42)に由来する源氏絵である。旧来、源氏絵とは『源氏物語』の情景を描いた絵...
1.本稿の目的 2.青持運動と優生思想 2・1明治維新がもたらしたもの 2・2 大正デモクラシー期 2・3 母性保護論争 3.リブ運動と優生思想 3・1戦前から戦中期 3・2 戦後初期 3・3 優生保...
書写が、国語科の[言語事項]において、文字を、正しく整えて、読みやすく、早く書くことを目指して行う分野であることは、言うまでもない。しかし、新学習指導要領の実施に伴い、国語科の配当時間が削減された。同...
唐の玄宗皇帝(685~762)と楊貴妃(719~756)を題材とする絵画は、古代から近世にわたり連綿と描き継がれてきた。とはいえ、玄宗と楊貴妃のイメージ(どのような人物として描くのか)とその目的は必ず...
二河白道図は中国初唐期の浄土教思想家善導の『観無量寿経疏』散善義中に説かれる二河譬を第一の拠所として描かれた仏画である。日本において法然や親鸞がその著述に二河譬を引用して以後、作画されるようになったと...
publisher奈良日本における近代国家の成立の端緒は、明治4・1871年7月の詔書による廃藩置県の実施であり、その企図は、明治22・1889年の市制町村制の成立によって一応達成されたと考えてよいだ...
本稿では「障害児保育」を念頭において、宮古島市において大学と福祉行政が協力して進めている保育士の資質向上の取り組みを事例として挙げながら、お互いの機能・役割分担と連携の在り方について、特にシステム教育...
在留外国人の増加に伴い、今後北海道各地の保育園においても外国にルーツを持つ子どもの受け入れが増加することが予測される。本稿の目的は保育士が日本語を母語としない保護者とのやり取りにおいて、どのような場面...
資質・能力型教育に転換した新学習指導要領では、「『社会に開かれた教育課程』の実現」「持続可能な社会の創り手」(「総則」)の理念を受け、「各教科等を学ぶ意義の明確化」が改めて重視され、各教科等の「学びの...
P(論文)本稿は、摂南大学教職教室が2008年2月から4月にかけて東京都を除く関東甲信地方8県に所在する市町村教育委員会を対象として実施した質問紙調査(「関東甲信8県市町村教育委員会調査2008」)の...
従来の親分子分関係の研究は、主として山梨県をフィールドにしておこなわれてきたため'その多様性が十分に明らかにされてきたとはいえない。本稿では、新潟県妙高高原町杉野沢地区の親分子分関係を考察した。杉野沢...
110007126954従来、能における家元制度の成立は観世(かんぜ)流の十五世大夫(家元)である観世元章(もとあきら)[1722〜74]が行った改革の事例をもとに説明されてきた。本稿ではその比較対象...
1987年、ブルントラント委員会の「Our Common Future」以来、世界的に持続可能な発展という概念が世界中に広まり、農業の持続可能性もまた、世間の関心を集めるようになった。第二次世界大戦後...
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